■「イギリス研修」前編!
「イギリス研修」前編
この春、憧れの地 イギリス コッツウォルズを訪れることが出来ました。
これは、わずか4日間でしたが、私にとって、非常に印象深く、
また、たくさんのインスピレーションを受け、古く、新しいイギリスの
美しさを知ることが出来た、素晴らしいい経験の旅でした。
コッツウォルズとは
イギリス コッツウォルズ地方はロンドンから車で2時間ほど西の丘陵地帯です。
かつて、ウィリアム・モリスが
「英国で最も美しい村」と讃えた 「バイブリー村」をはじめ、約100以上の
古い村が点在する地方です。
中世に羊毛産業で栄えましたが、その後産業革命の波に取り残され、人も住まなくなり、
荒廃し、一時期はとてもさびれた場所となっていましたが、産業革命後、工芸や、芸術を
見直そうという「アート&クラフト」運動が起こり、デザイナー ウィリアム・モリスが
この地を訪れ、「古き良きイギリスの美しさ」を再発見し、見直され、今では、世界中から
この美しいイギリスの田舎の風景を一目見ようと、観光客が訪れています。
価値観の違い
私がイギリスに来て、最も驚いたのは、日本との建物に対する価値観の違いです。
イギリスでは、建物が古ければ古いほど価値が高く、値段も上がり、築年数が
数百年~一千年という建物も普通に残っているのです。
日本は新築の時が最も価値が高く評価され、古くなれば下がる一方ですから、全く正反対です。
日本が地震国であり、遷宮などの輪廻の価値観の違いでしょうか。
これは、イギリスに地震がないゆえ、壊れないということもあるのですが、
「古いものこそ大切にする」イギリス人の心にとても惹かれました。
また、近年のイギリス人のステイタスは、「田舎の最も古い家に住み、
ガーデニングとオーガニックな野菜作りを楽しむこと」とか。
(私も、築200年位の古い家に住み、庭に花いっぱい植え、野菜も米も作っているから、
イギリス人的に最も素敵な暮らしをしてるってことかな・・・?)
景観と色 建物の統一感
また、コッツウォルズの印象と、分析ですが、前述のとおり、それなりの裕福な暮らしが
できる方が住んでいるだけあって、家も庭も本当に美しい。
そして、家、庭、そこから続く細い道、川、公園、花、カフェ、お店、ホテル 建物の、壁、屋根、窓、
お店の看板・・・すべて、目に見える景色の色は、自然の色で、おそらく、色の規制があると思われます
が、彩度の高い色や、プラスチック系のものは、目に入ってこないなど、視界の中の全てに調和が取れ、
体も心も休まるのです。特に建物の外壁が、この土地で取れる石材(はちみつ色)でできているため、
自然と同じ色なのです)
私の住む日本でも、特に田舎では、この景色を作りたいなと思いました。
忘れ去られた場所にこそ、美しさが残っているのだと気付きました。
そして、イギリスでは、古いものをただ古く残してある訳ではなく、古い建物を生かし、新しい使い方を
している場所を体験することが出来ました。
マナーホテルでの体験
私は、コッツウォルズ地方のストラッドフォード・アポン・エイボン近郊のマナーホテルに一泊しました。
(※マナーホテルとは、「領主の館」。かつてそれぞれの地域の荘園を治めていた領主の住まいが、
今ではホテルになっているというものです。)
ここは、11エーカー(≒4.5ヘクタール)の敷地に立地する16世紀のエリザベス朝様式のマナーハウスを利用した
歴史的な宿泊施設です。かつて、シェイクスピアが結婚式をしたとされる11世紀の古い教会や、100年前に
造園された、チェスボードをイメージした庭園を併設しています。
つまり、ホテルが約400年前に建てられ、教会は1000年近く前に建てられた建物ということです。
ホテルの部屋には、マナーハウスと杉の納屋を選ぶことが出来、私は杉の納屋のお部屋に泊まりました。
外観は、本当に2階建ての納屋なのですが、中はとてもきれいに内装が新しくされ、近代的な警備設備や、
火災警報器等、センサーなどしっかり付いています。
そして、部屋は、全く新しい、センスの良いホテルの部屋に作り替えられ、バスルームや洗面などガラス張りの、
とてもデザイン的におしゃれな作りでした。
1Fは客室で、2Fはなんと、貸オフィス(ミーティングルーム)で、ミニキッチンも付いています。
古い外観からは、想像も出来ない、超近代的で洗練されたお部屋に改装されていますが、あえて、古い曲がった梁や、
柱を見せて、生かし、なおかつ内装にも、板に皮を付けたままの巾木や、古材を利用したドアを使うなど、
「納屋風」に仕上げているのが、印象的でした。 すべてを新しくするのではなく、古い部分を生かしているのです。
これもまた、本当にお洒落なのです・・・。
庭と田園風景
一歩外に出れば、牧場と果樹園が広がり、ちょうど菜の花が満開の時期で、菜の花畑が
黄色いじゅうたんのように、丘を染めていました。
まわりには羊の牧場が広がり、たくさんの親子の羊がゆっくりと草を食べ、その、緑色の中に、
白い羊が群れる景色を眺めていると、時間の流れがとてもゆっくりとしていることに気が付きました。
ホテルの裏には、古い納屋があり、コッツウォルズでは代表的な茅葺屋根を目にすることが出来ました。
後編に つづく